この作品は完全1点物です。私のこれまでの集大成です。
【技法】グラール 【サイズ】最大90mm×H100mm
【作り方】 卵型に吹き上げたガラスに百合を彫刻し、更にガラスを巻き膨らます。
【難易度】ガラス彫刻と高度な吹きガラスの技術が必要になる為、グラール作品は殆ど見かけない。
【色】内側にスカイブルーと白(雲と蒼い空)/オレンジと緑の百合/ガラス(ダイヤ調カット加工)
2015/06/09メモ
新居に持っていった百合が本日開花しました。
■エピソード■
越して一年目の初夏。庭先にオレンジの百合の花が咲いていた。
鮮やかなオレンジ色に見とれていた。その頃の自分は工房に通い始めたばかりで、吹きの技術は、未熟だった。
二年目の夏、また鮮やかなオレンジ百合が咲いたのを見れたのが嬉しかった。
突き抜けるような蒼い空が広がっていた。梅雨のじめっとした風はもう無く、からっとした風が吹いていた。
初夏の来訪者だ。
その年の8月。山奥のガラス工房で、この憧憬をガラスに表現したいと思った。
自分で吹いたガラスに百合を彫り込んで、それをもう一度ガラスの中に閉じ込める。
誰もがやったことない、とても難易度の高い方法だった。
出来上がったものは色鮮やかなオレンジの百合、そして雲が流れる蒼い空。
ガラス彫刻と吹きガラスを組み合わせるのは矛盾だらけで本当に苦労したけど、最高の作品が出来た。
ずっと研究し続けてきた集大成。
更に綺麗に見えるようにダイヤのようなカットを数日かけて丁寧に研磨していった。
中は空洞で入り口は狭いが一輪挿しにも使える。
この世でただ一つしかない作品。
全く同じものをつくるのはガラスでは不可能。だから面白い。